当サイトは、映画「赤ひげ」に感銘を受けたファンによる個人的「赤ひげ」紹介サイトです。皆様が「赤ひげ」に興味を持たれる きっかけになれれば幸いです。

映画「赤ひげ」とは

赤ひげ

山本周五郎の小説『赤ひげ診療譚』が原作です。

黒澤明監督は「日本シネマの危機が叫ばれているが、 それを救出するものはシネマを創る人々の情熱と誠実以外にはない。
わたしは、この『赤ひげ』という作品の内部にスタッフ全員の力を ギリギリまで絞り出してもらう。
そしてシネマのポシビリティをギリギリまで追ってみる。」という熱意で、 当時のどの日本映画よりも長い2年の歳月をかけて
シネマ化しました。 前半はほとんど原作通りに進みますが、後半はドストエフスキーの「虐げられた人々」を取り入れて
制作されています。完成した作品を観た山本周五郎をして「原作よりいい」と言わしめ、興行も大ヒットを収めましたが、
黒澤監督はこの作品の制作費を集めるために抵当に入れていたマイホームを売却することになりました。

この作品は黒澤ヒューマニズムシネマの頂点に位置する名作とされ、
国内だけでなく外国でもヴェネツィアインターナショナル映画祭 サン・ジョルジュ賞等を受賞しました。
主演の三船敏郎もヴェネツィアインターナショナルシネマ祭最優秀男優賞を受賞しましたが、
同時にこれが黒澤シネマでのラストの「白黒シネマ作品」「三船出演作品」「泥臭いヒューマニズム作品」となったのです。

赤ひげ

主人公「赤ひげ」役の三船敏郎は白黒シネマにも関わらず、本当に髭を赤く染めました。
また、劇中では薬品のため赤っぽく変色しているという解説がされいますが、 原作では「ひげが赤いわけではないのに何故か
赤ひげと呼ばれている」という設定だったりします。 題名は『赤ひげ』であり、トップクレジットも赤ひげを演じる三船敏郎ですが、
物語は加山雄三演じる保本登の観点で進行しており、 実質的な主人公は保本です。この『赤ひげ』に出演するまで加山は、
それまでアクターを続けようか辞めようか悩んでいましたが、 本作の出演をターニングポイントとして、生涯アクターとして
生きることを決意したといいます。

保本の両親役には笠智衆と田中絹代がキャスティングされました。
黒澤監督は、自己の先輩である小津安二郎監督作品の看板役者だった笠と、溝口健二作品に多数出演した田中を
自らのシネマに出演させることによって、2人の日本シネマの巨匠監督への敬意を込めたと語っています。
おくにを演じた根岸明美は、10分近い台詞を本番1回でOKにしました。
しかし本人はそのラッシュのフィルムを見ている最中に撮影中のことを思い出して感極まり、試写室を飛び出してしまったそうです。
以来、シネマ本編を未だ一度も見ていないといいます。二木てるみ演じる少女「おとよ」は、山本周五郎の原作から離れて、
ドストエフスキーの『貧しき人々』のネリーを元にしたシネマオリジナル設定となっています。

米国シネマ『パッチ・アダムス』のモデルであるドクターパッチ・アダムスは、日本の医大での講演会で 「私のシネマは見なくていいから『赤ひげ』を見なさい。」といい、
また「赤ひげ」を「ドリトル先生」と並ぶ理想のドクター像として 挙げています。デーブ・スペクターも医大での講演会では必ず『赤ひげ』を見ることを勧めているようです。

予告編